RECRUITING GUIDE
採用面接で合理的配慮の相談を受けたら?建設会社の話合いと準備
選考時の合理的配慮の相談を受けたら、何が参加の支障になっているかを本人と確かめ、意向を尊重して実施する措置を話し合います。合理的配慮の提供は事業主の義務です。採否の評価と配慮の調整を混ぜず、必要な担当で準備します。
合理的配慮を、好意による特別扱いと捉えない
厚生労働省の合理的配慮指針は、募集・採用における必要な措置とその手続きを示しています。事業主に過重な負担を及ぼす場合の扱いもありますが、「準備が面倒」「前例がない」というだけで相談を終えるものではありません。本人との話合いを踏まえて検討します。
この記事は、特定の申出が法的にどの措置を必要とするかを判定しません。個別の判断に迷う場合は、社内の労務担当やハローワーク等の適切な窓口へ確認してください。建設の仕事は難しいだろうと一律に決めず、職務上必要な適性・能力を確認できる選考の機会を考えます。
相談の受付担当が不在の場合も、返答先を決めておく
面接の案内を送る担当と、配慮の相談を検討する担当が異なる場合があります。受付担当が休みでも申出を放置しないよう、必要な範囲で引き継げる窓口を決めます。本人に同じ説明を何度も繰り返させることがないよう、共有する内容と相手を確認してください。
会社が確定した実施内容は、本人が確認できる形で案内します。以前の会場案内が残っていれば、最新の案内がどれかを明らかにします。申出の事情を詳しく書いた資料を、会場案内と一緒に必要以上の相手へ配らないようにしましょう。
支障と希望を聞き、診断情報を広く集めない
本人から面接方法や会場について相談があったら、どの場面が支障になるか、どの方法を希望するかを確かめます。指針では、具体的な措置を申し出ることが困難な場合、支障となる事情を明らかにすることで足りるとされています。完成した解決策を本人が示さないと受け付けない、という対応にしないでください。
必要のない病歴や診断の詳細を一律に提出させるのではなく、選考への参加を準備するために必要な範囲を確認します。配慮の調整で得た情報を、関係のない社員へ広めたり、本人の能力を推測する材料にしたりしないよう、担当を決めて扱います。
実施可能な方法を、本人と話し合う
面接会場までの移動、説明の伝え方、時間、同席など、支障が生じる場面に合わせて検討します。以下は話合いの整理例であり、全員へ同じ措置を当てはめる表ではありません。
| 確認する場面 | 確かめる内容 | 記録・次の対応 |
|---|---|---|
| 支障 | どの場面が参加しづらいか | 本人が伝えた事情 |
| 希望 | 本人が希望する方法 | 希望と未確定の点 |
| 準備 | 会場・方法・担当を確認 | 実施できる選択肢 |
| 確定 | 話合いを踏まえた措置 | 本人への案内内容 |
| 当日 | 説明した措置が実施できるか | 確認する担当 |
本人が具体的な方法を示しにくい場合は、会社が実施可能な措置を示して話し合います。会社が扱いやすい方法だけを一方的に押し付けないようにします。
実施内容と、希望どおりにできない場合の扱い
指針に沿って意向を十分に尊重し、実施する措置を本人へ伝えます。希望された措置が過重な負担に当たると判断する場合にも、その申出を単に断って終えるのではなく、話合いの下で過重な負担にならない範囲の措置を検討します。
実施する内容や、措置を実施できない場合の理由について、求めに応じて説明することも指針に示されています。担当者がその場で法的な可否を決めず、検討過程と確認先を残してください。期限が近い場合は、必要な準備と連絡の予定を担当者間で共有します。
当日の担当には、実施に必要な内容を渡す
会場を変更しても、受付担当が以前の部屋へ案内すれば準備が生きません。確定した場所、面接方法、使用する資料、担当者が行うことを、必要な範囲で共有します。本人から新たな困りごとが出たときの確認先も決めます。
選考の記録では、仕事に必要な適性・能力と、実施した配慮を区別します。配慮の申出をしたこと自体を不利な評価へつなげないようにします。説明に使う資料が本人へ伝わったか、不明点を聞ける方法があったかを確認し、単に予定どおり面接を終えたことだけで完了としません。
次の選考準備にも、参加しやすさを反映する
実施後は、会場の案内や連絡窓口に分かりにくい点がなかったかを確認します。個別の相談内容を、匿名化が不十分なまま社内の事例として広く配ることは避けます。一般的に改善できる説明や設備の案内と、本人に関する情報を分けてください。
面接の目的と質問は採用面接、来社前の案内は応募者対応、記録の取扱いは応募書類の閲覧・保管を参照できます。合理的配慮や個別の法的判断を当サイトが代行するサービスの案内ではありません。
希望された方法を実施しにくい場合はどうしますか?
直ちに相談を終えず、本人の意向を尊重して実施可能な措置を話し合います。個別の過重な負担等の判断に迷う場合は、会社の責任者や公的な相談先等へ確認し、検討した内容を本人へ説明します。
参考資料
厚生労働省・合理的配慮指針(2026年10月24日本文確認)。第2基本的考え方、第3の1募集及び採用時の手続きを参照。個別措置の法的要否を判定しません。確認表・質問・工程の分け方は当サイトの運用提案です。